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契約社会での認識の甘さを思い知らされた日本球界はその後、選手の保有権などが真剣に議論されるようになった。近鉄に在籍していた1994年オフの契約更改の席で、大リーグへの移籍を主張。98年には「日米間選手契約に関する協定」を調印。

多くの日本選手に大リーグ挑戦の夢を実現させ、日米球界に“風穴”をあけた「トルネード」が残した功績は大きい。その強硬姿勢に根負けした近鉄は「任意引退選手」として、契約を断念した。それまでは夢の世界だったメジャーのグラウンドで野茂が活躍する姿に、ファン以上に心を躍らされたのは日本球界の選手だった。

野茂が開いた道をイチロー、松井秀、松坂ら、各球団のスーパースターがたどることになった。FA権を持たない日本選手が大リーグ移籍を希望し、それを球団が認めた場合、移籍が可能になる「ポスティングシステム」が導入された。

結局、野茂は代理人の団野村氏の助けを借りて、米国で野球をしたいという場合まで選手を縛ることはできない-という任意引退の盲点をつき、強引にドジャース入りを決めた。球界関係者は「野茂のおかげで、日本球界が国際化に目覚めた」とも言う。